生まれる次元を間違えた。

プリキュアになることは諦めました

喪女とボーダーと彼シャツ

先日、どうやったら喪女を脱することができるのかと
会社の同僚に冗談半分で相談したのだけれど、
その同僚ったら、笑顔をたたえながらかわいらしい声で言いました。
「ボーダーを着ている女はモテない」と。

なんだか、統計学系の占い師みたいな方が
おっしゃっている話らしいのだけど、
いやはや、あながち間違っちゃいないのかなって、
自分の格好を見て思いました。

私ったらそのとき、
ボーダーのタンクトップの上に
ボーダーのロンT着てた

ボーダーこれ極まれりといった、
まさにボーダーづくしの格好だったわけよ。
これはね、そりゃあモテないわ。

ボーダーを着ていることがモテるモテないに直接関係しているか否かは別として、ボーダーのタンクトップの上にボーダーのロンTを重ねるあたりのファッションセンスがもうモテなささを極めている気がした。

それでね、悟ったわけ。
「わたしは例えボーダーを着ていなくても、きっとモテないわ」って。



そうそう、洋服といえば。
自分が持っていたネルシャツが、最近になってようやっと彼シャツ仕様だって気づいたんだ。

彼シャツ仕様と言っても、本当に彼シャツなわけじゃない。本当に仕様なだけ。
サイズのわりに少し大きめで、ボタンの留める向きが逆というだけなのね。
ちゃんと女性ブランドで見つけたものだから、間違えて男性ものを買ったわけではない……はず。

お察しのとおり、わたしにシャツを恵んでくれる彼などはいないわけなので、父のクローゼットからくすねるか、最悪「洋服の青山」なんかで自分で買うしかない。
そんな中で、無抵抗に無意識に着ていたわ……彼シャツってもんを。

“彼シャツ”ってのはね、
小柄でふわっとした女の子が「彼氏のシャツを借りちゃいました☆テヘペロ」
みたいに言ってるのがかわいいわけなのよ。
決してわたしのような、おそらく一生無縁であろう人間が着ていいものではない……というか、よりいっそう惨めさを加速させるような人間が着るべきではない。
自分のためにも、世界のためにも。

わたしだってこれでも女性なわけなので、
“彼シャツ”ってもんに憧れがないわけでもない……わけでも、ないな……うん、あまりないな。
だ、だけども!
もし着るなら、やっぱり仕様じゃなくて、ちゃんと彼から借りたいのだと、思う……ような…………気も、しなくもなくもない。
うーん、やっぱり別段着たいわけではない……な。

だ……だがしかしだ!!
これだけは、声を大にしてでも言いたい
無意識に無自覚に無抵抗に、自分で買って着てしまうような結末にはしたくなかった!
彼シャツバージン、自分でなんて奪いたくなかった!

そんなことを叫びながら、さいとうはネルシャツを破り捨てたのであった。









……というのは嘘である。
とりあえず、タンスの奥にしまいました。


俗に言う、衣替えである。